ギリアド・サイエンス(GILD)落ち込む理由は?

皆さん、こんにちは。

 創業は1987年と歴史は浅いが世界有数のバイオ関連の医薬品メーカーであるギリアド・サイエンス社をご紹介します。
 同業他社はジョンソン・エンド・ジョンソンやファイザーなどの有名どころや、アッヴィ、アムジェンなどがあります。紹介した企業と違い現在はPER6~7で推移していて、なぜ他の同業他社より低値で取引されているのか?

 そもそも1、2年ほど前は高PERで取引されていました。2014年辺りから急激な成長がみられたが、最近は薬のハーボニーの売上の大きな減少、ライバルの米メルクがギリアド・サイエンスに対しC型肝炎治療薬の特許侵害の訴訟でロイヤリティー(特許使用料)として25億4000万ドル支払い義務があると連邦地裁で認定された。これはハーボニーとソバルディー(両方ともC型肝炎治療薬)の売り上げの10%にのぼる。ギリアドはこれを受け上訴する考えを示した。

 抗インフルエンザ薬のタミフル(特許保有)やHIVの治療薬があるが、C型肝炎治療薬の売り上げ減少を補えず利益減少につながり、投資家たちの今までの過度な期待感から大きな失望へと変わり大きく値を下げた。
 
 上記の様なことが重しとなり、成長に陰りが見え始めたと判断され株価が2015年中旬の120ドルあたりから現在の70ドル付近まで売られていいます。

 成長株といわれる企業は、企業自体の規模があまり大きくないことが多く、またニッチな産業や、少ない商品のヒットにより急激に成長する。この成長が金融界の目に留まれば、魅力的に映り急激な株価の上昇(これはあきらかに投機的な動きである)につながり、企業価値を追い越してしまい、企業が少しでもつまずけば一気に離れて行ってしまう。(離れる時も行き過ぎが多々ある)

 この企業はもう投資対象としてはダメなのか?

実はいいニュースもあり、そう判断するのは早い気がする。負債の増え方が少し気になるが財務状態は決して悪いものではなく、自己資本比率なども悪くはない。
 他には2016年欧米の当局が、新薬のエプクルサ(C型肝炎治療薬)を承認。これは今までのハーボニーやソバルディの治癒率 約80~90半ばに比べ、臨床試験段階ではあるが98%と高く、ソバルディよりも安価である。
 
 商品が少ないことは必ずしも悪い事にはならない。確かにそこが弱ればすぐ減収に変化するが、開発費の絞り込み(これはコスト削減につながる)や、単純な経営が可能で経営者の目が届きやすく対策も早く打て効果もでやすい利点がある。

 金融界は一度ダメのレッテルを貼ったら見直しはせず、ほとんど注目されることがない。もしこれからギリアドが減収、減配が浮き彫りになり決算が悪い中、新薬や経営努力により売上高が伸びていくとすれば投資機会は十分にあるだろう。つまり今すぐ割安だから買うというのは早いが、経過を見守るにはいい機会だと思う。(理想は株価の低迷の中、業績回復である)
 どんな企業にもその長い歴史にはいろいろあり、常に大きい成長はありえない。これから投資対象になるかどうかしっかり動向を見ていきたい。

 本日は、お読みいただきありがとうございました。 

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