未来と過去で揺れ動く株式市場

皆さん、こんにちは。

 近年IT分野の飛躍的な発達により、スピーディーで専門的に、しかも広範囲(世界的にも)に情報を入手し活用できるようになりました。
 その影響は金融市場でも例外なくおこり、日本にいながら世界各国の市場にアクセスできる様になり投資領域が確実に増えました。また、情報もインターネットを通じ毎日のように新しいものに触れることができるため、投資対象を吟味する材料も増えました。

 しかし、投資家は鮮度の良い情報を使いこなすことができているのでしょうか?市場に目を向けてみると、日々流れる速報に神経質に反応し景気や先のみとうしは事あるごとに変わり、最近までは悲観論者が幅を利かせていたのに今では楽観主義者ばかりになってしまったのでしょうか?

 世界のファンダメンタルズは急速に改善されたのでしょうか・・・皆さんもお気づきの様にきっとそうでは無いでしょう。
 確かに米国国内の主要指数は改善されています。しかし、今の状況はリスクがまるで消えてしまったかのようです、そんなことはあるのでしょうか。

 次期大統領のトランプ氏の発言と規制緩和や、減税に対する期待感からなのかもしれませんが、まだ始まってもいません。(これから世界の資本は米国へ流れ込むのでしょうか?)

 『市場の効率性』という理論が金融界には存在します。市場では情報が瞬時に正しく反映され、市場のその価格は正しく効率的たというものです。
 これは大昔の理論ですがいまだ話題にあがり、支持者の多い理論でもあります。市場での価値は過大も過小評価もされておらず適正価格であるため、割高や割安では買えず他の人と差をつけ利益を得ることは不可能だとするものです。

 もし、平均よりとても素晴らしい成績を長期で残せる人がいるとすれば、例外的で偶然の産物という事になります。では投資の世界で長く優秀な成績を残した人々は、その生涯にわたり奇跡的な偶然が続いたことになります。私にはそちらの方が信じられません。(成功した人たちは神様でも、未来の預言者でも、タイムマシーンを開発した人でもなく。その方々はすごく優秀だとは考えられるが、一投資家には間違いないはずだから。)

 話がやや逸れてしまいましたが、少し見方を変えてみましょう。
 市場は確かに今のデータを織り込んでいるとおもいますが、正確かどうかは別です。例えば業績のみとうしや新製品の評判が良く、決算を目前にして株価が上昇したとしましょう。決算日思ったより業績が悪く、今までは長期で緩やかに上昇していた株価が反転し下降しました。しかし、これは一時的で長い目でみれば売り上げは伸びているので、利益が出るまでに時間がかかるというだけでした。結果株価はそのあと上昇を続けました。

 この問題は、意外に簡単です。株価は収益が将来上がるものが高値を付けていくといわれますが(成長株と呼ばれるものがいい例です)、実際そのような理由で株価が上昇しても、現在の業績に左右されたいい例です。しかし、長期的にはあまり変化はありません。
 逆も起こります。現在の業績は良いのに長期的に悪いと判断され(または悪いと噂され)低い株価で推移していたが、継続し業績が伸び判断が間違っていたと分かると急に上昇したりします。

 上記の例ではあきらかに矛盾しています。未来を見ていたの現在に惑わされ、過去を確認していたのに現在を見落とした結果になっています。

【では、どうしたら判断をくだせるのでしょうか?】
 市場ではいろいろな思惑があり株価が変動しますが、まず第一に投資家自身がどこに目線を向けているかで変わります。株価は短期で見れば投機的な影響が色濃く反映されることが度々起こり、長期的には企業の価値を反映します。

 もし皆さんがマクロ経済や業界に精通し正確に先を読めるならば、短期の売買もいいでしょう。
 しかし、先に何があるか分からず少々慎重で我慢できる方は(私の場合は極端なほど臆病ですが)企業の財務状態は健全か、業界に何が起こっているのか?投資家本人は企業の商品・サービスなど調べ理解でき尚且つ、長い目で見ればしっかりした基盤の企業だと判断できるならば(同業他社との比較はとても大切)短期的な値動きは予想するのではなく・・・。

 【起きてから利用すればよい】、(四半期の為替変動により一時的な落ち込みや、上記のような場合、他にも多々出来事はある)一時的な落ち込みでは購入するチャンスであるし、急激な高騰は株を幾分かもしくは全部手放してもいい(持ち続けてもいい)。

 つまり魅了的な企業に出会えたら、相手の反応をみてアプローチをかければ良い。けっして慌てて手を出してはダメだ、なぜなら投資はギャンブルではないのだから。

 専門家の多くが未来を予測しようとするが、タイムマシーンがないので難しい。しかし、過去の事は調べられるので意見が合うことも多いようだ。
 この記事が皆さんのお役に立てたら幸いです。

 本日は、お読みいただきありがとうございました。


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